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少ない予算で留学したい。そんなあなたにフランスのEmmaus(エマユス)でボランティア体験。

この記事では僕が大学4年のときに体験したエマユスでの生活をご紹介します。

 

当時から日本語での情報は非常に少なく、実際に行ってみるまでどんなことをするのか全く想像できていませんでした。おそらく英語やフランス語なら情報があるのだと思いますが、めんどくさがりですので調べませんでした・・・

 

僕がボランティアをしていたコミュニティでは「2年に1回ぐらい日本人くるよ」と聞いたのですが、体験記などをネット上で見かけたことがないので書いてみたいと思います。

 

 

 

エマユスってなに?

 

Googleで「エマユス」と検索してみると・・・
エマオじゃないです・・・正しくはエマユスです。

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 フランス語で"au"は「オ」と発音されるのでこうなってしまったのだと思いますが、正しいスペルは"Emmaüs"で"u"の上に点が2つ付きます。

 

エマユスは、アベ・ピエールという神父さんのホームレス支援活動からスタートした組織です。コミュニティと呼ばれる場所に集まった人たちが共同生活しながらリサイクル活動(廃品回収・修理・販売)を行い、自立した生活を送っています。

 

アベ・ピエール - Wikipedia

 「フランス人が最も愛する有名人アンケート」でも、1998年にプロサッカー選手ジダンが選ばれるまで、長年1位だった人です。フランスでは知らない人はいません。

 

 

どんな人がいるの?

 

コミュニティにいる人は主に下の3種類です。

 

・エマユスで働いている人

エマユスの運営側の人です。コミュニティの管理責任者といったところでしょうか。お金やモノ、人の管理などを行っています。朝出社して、夕方に帰っていく普通の会社員ですね。コミュニティで一番偉い人の給料は2500ユーロって聞きました。けっこうもらってるなぁという印象でした。しかもベルギーの国境近くの田舎でしたからね。

 

・エマユスで共同生活している人

ホームレスや難民だけではありません。住むところがなくてコミュニティに来たわけではなく、自ら好んでコミュニティで生活している人もいます。理由はいろいろあると思いますが、僕のコミュニティにいた二十代の3人組は、コミュニティでの生活が好きだと言っていました。世間では社会不適合者というレッテルを貼られるのかもしれませんね。こういう生き方もありかなと僕は思いました。

 

エマユスはパスポートやビザを持たない人間ですら受け入れているようでした。また、コミュニティ間の移動は自由です。「ここのコミュニティは肌に合わんわ」って言って他のコミュニティに行った人もいましたね。

 

ちなみに、エマユスで共同生活をしている人にはリサイクル活動の対価として時給が発生しています。無給じゃないのですよ。時給4ユーロぐらいだったかな。それに加えて、1ヶ月に2.5日のバカンス(有給休暇)が与えられます。年間にすると30日ですね。

 

また、コミュニティで人が共同生活を行うという点において、調理や洗濯、掃除といったような仕事も発生するので、力仕事ができないものも何かしらの仕事をすることができるのです。僕のいたコミュニティにはパキスタン人の料理担当の人がいて、毎日おいしい食事を作ってくれていました。

 

・コミュニティでは生活せず、近くの街などから通って働いてる人

共同生活している人と仕事の内容は同じです。

 

なにをしてるの?

リサイクル活動です。

コミュニティと呼ばれる共同生活施設で生活しながら廃品を回収し、修理し、販売します。廃品は本、玩具、食器、電化製品、家具、雑貨、衣類などの主に一般家庭から回収されるですね。回収したものは修理が可能なものは修理し、資源としてリサイクルが可能なものはリサイクルにまわし、どちらも不可能なものは処分します。また、長い期間売れなかったものも同様に処分します。

 

 

回収の方法は主に下記の3つです。

 

・決められた回収場所に置いておく。

→リサイクルしてほしいものを置いておくと、エマユスの人が回収に来ます。大型のトラックでしたが、回収に来るのもコミュニティの人です。

 

・電話して取りに来てもらう。

→重いものとか大きいものは電話して家まで取りに来てくれます。

 

・回収ボックスに入れる。

→主に衣類用ですね。街に設置されているボックスに着なくなった衣類を入れるとエマユスの人が回収に来ます。

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どこにあるの?

 

2015年時点で47カ国に存在し、コミュニティの数は440以上あるようです。

日本にはありません。

 

 

ボランティアにはどうやって参加するの?

 

このプログラムは夏休みを利用してエマユスの活動を若い人に体験してもらおうというプログラムです。期間は6月中旬から9月中旬ですが、コミュニティによって期間が異なったり、募集していたりいなかったりします。

どこから応募したのか忘れましたが、下記サイトあたりだった気がします・・・

Chantier Solidaire - Emmaus Lescar Pau

Le volontariat d’été : les chantiers solidaires en Europe - Emmaus Europe

 

 

お金かかる・・・?

 

宿泊費と食事は無料です。僕はキャンピングカーで生活してました。テレビも付いてましたし、そこそこ快適でした。コミュニティによっては普通の部屋に泊まれるところもあるのかもしれません。生活用品代とか交通費はもちろん実費です。コミュニティに行くときは最寄りの駅まで自力で行って、迎えにきてくれました。僕は自分で手洗いしていましたが、洗濯もしてくれるようでした。

 

 

エマユスでの生活

 一日8時間労働の週休2日制です。僕がいたコミュニティでは日曜と月曜が休みでした。イベント等で他の日に休みが振り替えられることもあります。

平日は8時から17時半まで働きます。午前と午後に1度ずつ15分ほどのコーヒータイムを挟み、昼食は12時~13時まで。夕飯は19時。朝食は出なかったですね。

僕は家具の解体や修理をしていました。毎日筋肉痛でした。水曜と土曜の午後は販売を行う日になっていて、街からお客さんが買い物をしにきます。通常の仕事はせず、販売員的な仕事をします。言葉が通じなくて苦労しましたが、優しい人ばかりでした。

休日は自由に過ごしますが、街に遊びに行ったり、観光しに行ったり、釣りをしに行ったり、色々誘ってくれました。夜はよくコミュニティでトランプをしてました。トランプを複数セット使う大貧民だったのですが、同じカードが4枚以上あるのでおもしろかったです。僕は強かったのでいつも勝ってました。

 

おすすめな理由

・安く海外で生活できる

留学などに比べると圧倒的に安いです。飛行機代+10万ぐらいあれば3か月過ごせます。

 

・言語が身につく

3か月なので正直ぺらぺらにはなれません。しかし、3か月間、外国語を使わざるをえない状況に身を置くことで、語学学校で学ぶよりも遥かに効果的に学ぶことができます。勉強するというよりも実際に使いながら覚える、という外国語学習の理想形だと思います。また、コミュニティには色々な人がいるので、色んな地方のアクセントを聞くこともできます。

 

・心身ともに健康になる

これは場所によると思います。僕のコミュニティはベルギー国境付近の田舎町の森の中にありました。自然豊かな場所で規則正しい生活することで、なんだかとても健康になったような気がしたのです。いまでもあの満点の星空は忘れられません。

 

まとめ

申し込みも英語orフランス語だし、生活にも最低限の言語能力が必要だし、知らない人と共同生活怖いし・・・などなど、色々抵抗はあるかもしれません。僕もそうでした。でも、本当に行ってよかったと思っています。

 

お金がないけど外国でちょっと生活してみたい、そんな大学生の夏休みの選択肢のひとつになるのではないでしょうか。就活でのエピソードに使えるかもしれないし・・・

 

ボランティアに行かないにしても、ぜひエマユスがある国に旅行に行く際には、買い物しに行ってみてください。けっこう掘り出し物があったりするみたいですよ。

 

関連リンク

 

田中秀和さんという方が書いた論文に、エマユスに関することが詳しく正確に書かれています。

http://www.gyokokai.org/~gasparo/em/Memorie_de_Lincence.pdf

 

フランスのエマユスのサイト:

emmaus-france | Le site de tous les groupes Emmaüs de France.

 

こっちはインターナショナル:

https://www.emmaus-international.org/en/